制作によせて
陶彩画「レインボーターラ」
~内なる太陽の復活~
2025年の制作テーマ「内なる太陽の復活」を象徴する作品の一つとして、チベットに伝わる観世音菩薩の物語からインスピレーションを得た「レインボーターラ」を制作しました。
観世音菩薩が、いくら修行を重ねても衆生の苦しみが尽きないことに心を痛めて涙を流した際に、その涙から生まれたのがターラ(多羅菩薩)だとされています。右目の涙から生まれたのが「純粋な癒し」を象徴するホワイトターラ(白多羅菩薩)、左目の涙から生まれたのが「慈愛と行動力」を象徴するグリーンターラ(緑多羅菩薩)です。この二尊は、観世音菩薩の悲しみを乗り越え、衆生を救済するためにこの世に現れたとされています。
本作はこの物語の続きを私なりに解釈したものです。仏の智慧が存在のすべてを受け入れ、自己の内奥に宿る「真の光」を復活させるという、魂の再生を表現しました。現代の深い分断と無力感には、仏の救いにもまして、自分自身の内にある光を復活させることが鍵になると考えたからです。
レインボーターラは、あらゆる感情や体験の統合と、光への昇華の象徴です。この世にひとつの無駄もないという格言の通り、振り返ってみれば、あらゆる出来事がわが身を照らす光源となっていることに気づきます。私たちは、感情や経験、喜びや痛み、苦悩といった様々な色を混ぜ合わせ、調和させるという行為を通じて、輝く虹色を自分自身の内に生み出しているのです。レインボーターラという名前は、単に虹色だからというだけでなく、ホワイトターラとグリーンターラの性質をすべて包み込む「統合」と、そこから生まれる「再生」、更に、「光への転換」を意味しています。
心はくじけることの多いものです。自分の力や可能性を信じられなくなったり、他人の評価に自分の価値を見失ったり、いったい「私」とはなんだろうかと、存在そのものへの信頼が揺らいだりすることもあります。しかし、それらはすべて「外」の出来事です。
あなたを照らす光は、既に内にあり・・・いえ、あなたが光そのもの。
レインボーターラは、そう告げているのです。
~内なる太陽の復活~
2025年の制作テーマ「内なる太陽の復活」を象徴する作品の一つとして、チベットに伝わる観世音菩薩の物語からインスピレーションを得た「レインボーターラ」を制作しました。
観世音菩薩が、いくら修行を重ねても衆生の苦しみが尽きないことに心を痛めて涙を流した際に、その涙から生まれたのがターラ(多羅菩薩)だとされています。右目の涙から生まれたのが「純粋な癒し」を象徴するホワイトターラ(白多羅菩薩)、左目の涙から生まれたのが「慈愛と行動力」を象徴するグリーンターラ(緑多羅菩薩)です。この二尊は、観世音菩薩の悲しみを乗り越え、衆生を救済するためにこの世に現れたとされています。
本作はこの物語の続きを私なりに解釈したものです。仏の智慧が存在のすべてを受け入れ、自己の内奥に宿る「真の光」を復活させるという、魂の再生を表現しました。現代の深い分断と無力感には、仏の救いにもまして、自分自身の内にある光を復活させることが鍵になると考えたからです。
レインボーターラは、あらゆる感情や体験の統合と、光への昇華の象徴です。この世にひとつの無駄もないという格言の通り、振り返ってみれば、あらゆる出来事がわが身を照らす光源となっていることに気づきます。私たちは、感情や経験、喜びや痛み、苦悩といった様々な色を混ぜ合わせ、調和させるという行為を通じて、輝く虹色を自分自身の内に生み出しているのです。レインボーターラという名前は、単に虹色だからというだけでなく、ホワイトターラとグリーンターラの性質をすべて包み込む「統合」と、そこから生まれる「再生」、更に、「光への転換」を意味しています。
心はくじけることの多いものです。自分の力や可能性を信じられなくなったり、他人の評価に自分の価値を見失ったり、いったい「私」とはなんだろうかと、存在そのものへの信頼が揺らいだりすることもあります。しかし、それらはすべて「外」の出来事です。
あなたを照らす光は、既に内にあり・・・いえ、あなたが光そのもの。
レインボーターラは、そう告げているのです。
