作家紹介
Profile
陶彩画家
草場 一壽
1960年、佐賀県は佐賀市神野町に誕生。
幼少より動物や自然など、「いのち」の営みに興味を抱き育つ。
アーティストとして何かを表現する楽しさに目覚めて日本大学芸術学部演劇学科に入学するが、表現ソースとしての経験・体験の不足を痛感し、大学を中退してアジアを中心に4年ほどバックパッカーとして旅をする。その過程で、見慣れたはずのものさえ新鮮に思われるという体験を重ね、「みんな生きてるんだ!」という感動に心打たれて、改めて「いのちの輝き」を表現するアーティストになることを決意する。
故郷の有田焼の技術を用いた焼き物の絵画、陶彩画のビジョンを持って帰郷するが、有田中の窯元に実現不可能だと断られ続ける。最終的に、緻密な絵付けで高名な葉山有樹氏に「おもしろいではないか」と受け入れられ、1987年に27歳で葉山氏の工房に入り、陶彩画実現のための研究を始めた。従来の有田焼は絵付け・焼成を最大で4回程度しか耐えられなかったが、より深く鮮やかな色彩を実現しようとこだわり、試行錯誤の末に十数回絵付けと焼成を繰り返すことに成功。1990年に独立し、佐賀県武雄市山内町で工房「今心」を立ち上げて陶彩画の創作活動を開始した。
その後も、より深く美しい色と輝きを求めて研究を続け、作品制作の傍ら、技法や画題の研究のためにインドやモンゴル、敦煌など各地を訪問・遊学。アーティストとして着々と成長を続け、各地で個展を開くようになり、2003年に草場一壽工房と名を改め、翌年には工房直営のギャラリーを佐賀に開館。
また、子どもの殺傷事件が相次いだことに心を痛め、いのちの尊さを子どもに伝えたいとの思いから、絵本「いのちのまつり」シリーズを執筆した。後に同書は小学校の道徳の教科書にも採用され、草場は各所から講演会に招かれるようになった。
2014年に開窯25周年を記念して佐賀のギャラリーをリニューアルし現「草場一壽工房」として会館、更に2018年には、開窯30周年記念の一環として東京銀座5丁目にギャラリースペース「龗 GINZA OKAMI」をオープンした。2020年には還暦を記念し、「いのち」の輝きへの憧れという原点に回帰しつつ新境地を目指して、従来作品の繊細緻密な表現とは異なる大胆で遊び心溢れる「自在」シリーズを制作した。他に、力強く生きる龍の力の源、「如意宝珠」を制作するなど、陶彩画を生み出して30年以上が経つ今も、「いのち」の表現への尽きぬ情熱を原動力に、アーティストとして日々進化し続けている。
年 表
● 1987年 | 佐賀県有田に入り新しい表現陶彩画の模索と研究を開始 |
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● 1990年 | 絵付けと焼成を幾度となく繰り返しながら色を出す新技法の確立と研究のため今心工房を開窯 |
● 1992年 | 日本最大となる20メートル陶壁画「鎮守の祭」制作 |
● 1996年 |
中国敦煌芸術院との交流開始 NHKテレビ「炎と生きる」で紹介される 「I remember you」が映画「人間の翼」のポスターに採用される |
● 1998年 |
アジア工芸展に出品 中国敦煌莫高窟・西千仏洞・楡林窟の非公開の壁画・塑像を視察 |
● 2002年 | 米国シアトルマリナーズのトレーナールームに陶彩画「水の菩薩」が飾られる |
● 2004年 | 陶彩画ギャラリーを佐賀県武雄市にオープン |
● 2005年 |
絵本「いのちのまつり ヌチヌグスージ」を執筆、サンマーク出版から全国出版 絵本としては異例のロングベストセラーとなる(シリーズ売上累計52万) ヌチヌグスージはNHK・Eテレ「てれび絵本」で現在も放映中 |
● 2006年 |
モンゴル大統領に陶彩画「大調和」を献上 ダライ・ラマ法王14世著書「思いやり」に陶彩画「大調和」掲載 ダライ・ラマ法王に陶彩画「大調和」を献上 |
● 2008年 | 絵本「いのちのまつり」が全国幼稚園「絵本大賞」を受賞 |
● 2009年 | 絵本「いのちのまつり」がボローニャ国際児童文学祭に日本代表作として選抜される |
● 2011年 |
金沢医科大学にてホスピタルアート展を開催 世界初の試み、虹色に輝く陶彩画「平安」「時は今」を発表 |
● 2012年 |
陶彩画の新しい試みとして「いのち」をテーマにした祈りの空間(納骨堂)を監修 ドキュメンタリー映画「地球が教室」初監督 |
● 2013年 |
2013年1月公開の映画「ストロベリーナイト~劇場版~」に虹色の龍「平安」、抽象画「陶酔」など美術協力 和歌山県 福生寺 紫雲堂 に特別陶彩画「大日如来~金剛界~」を納める |
● 2014年 | 開窯25周年の節目に佐賀ギャラリーを改装してリニューアルオープン |
● 2016年 | 世界遺産 真言宗総本山 東寺にて個展を開催(以降定期開催) |
● 2017年 | 古代ペルシャの華と称される玉虫色に輝く釉薬を使った作品を制作 |
● 2018年 |
絵本「いのちのまつり」シリーズ5作品中4作品が道徳の教科書に採用される 陶彩画家30周年記念の一環として銀座5丁目にギャラリースペース「龗 GINZA OKAMI」をオープン |
● 2020年 | 還暦を迎え「自在~スパークリンググレイズ」シリーズを制作 | ● 2022年 / 2023年 | 日印国交70周年を記念してインド総領事館とインド大使館に「ラクシュミー」が飾られる |