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2021.06.15

おかげ様で陶彩画33周年を迎えました。

カテゴリー:その他

謝辞

 33年前、陶彩画の構想について大方の陶芸家からは「無理・無謀」だとあしらわれたものです。そんな中でただひとり、おもしろそうだと興味を持ってくださった窯元がいて、試作にとりかかることができました。
 ただ、当時は陶彩画の確立までまさか20数年を要するとは思いもしませんでしたが。

 幾度となく挫折を繰り返して、命からがら、今日にいたりました。七年間は路上で作品を売りながら、「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせていたのがつい先日のように思い出されます。

ここまでの道のりは、本当にみなさま(スタッフも含めて)のご支援の賜です。みなさまの励ましがなかったら、「陶彩画」はこの世にあらわれることはありませんでした。深く感謝申し上げます。

昔と比べて、当然ながら研究も深まり、技術や技法も格段に向上しました。色であれ、素材であれ、選択肢は増えたことで「自由度」も増したはずですが、そこに不自由を感じるようになりました。モノがあふれて、かえって豊かさがぼやけてしまった世の事情に似ています。自由とは・・・そんなことを陶彩画によって突きつけられた気がします。

どう描くか、ではなく、どんな思いで描くか。そんなことを今一度心に刻んでいます。

人の心の奥をずっと辿っていくと、個々に性格や環境や事情が異なっても、通うものが見つかると思います。ずっとずっと心を深めていったところに「芯」のように愛があり、理解があるのではないでしょうか。それを魂と呼ぶのかも知れません。
その芯に触れるような、呼び覚ますような作品を作り続けていきたいと思います。

50年の記念作品を遠くに臨みながら・・・尽きない感謝とともに。