2021.03.09

作品紹介「瀬織津姫」

カテゴリー:作品・グッズ

●魂を引き付ける女神

大祓詞(おおはらへのことば)の中で、四柱の祓戸の大神として一番最初に出てくるのが瀬織津姫です。大祓詞は、疫病が大流行したり、天変地異が起きた時、この祝詞をあげ祓い清め(浄化)させ、おさめようとするものであり、鎌倉時代から続いているようです。
風土記や偽書とされた『ホツマツタエ』等には載っていますが、正式な歴史の中には何一つ出て来ない謎多き女神 瀬織津姫。
どうしてみんなが謎めいた女神に惹かれているのでしょう? いえ、当の私自身の魂が惹かれているのです。単に創作のモチーフとしてではなく、もっと深いところ。
それは、こんなふうに説明ができそうです。瀬織津姫のように、記紀神話にも書かれていない歴史というものをテーマにするとき、私は最終的に自分の魂の中の記憶を探しているのです。
無いものをつくるのではなく、あるからこそ出てくる。自分の魂の中に、心の中に、潜在意識の中に、あるからこそ形として表現できると考えています。
歴史に登場していないのだから、つくりものだと言われても仕方ありません。しかし、私の中の魂に問いかければ、確かに瀬織津姫は存在していらっしゃる神様なのです。どういう存在で、どういうお働きがあって、どういう登場をしたかということが、やはり自分の魂の中に記憶としてある、と私は信じているのです。
神話と言うのが現実なのか本当の歴史なのか、と考えることは、ある種の囚われに過ぎないことだと思うのです。知識といった外に囚われず、内にあるものに感応するのが、こうした世界なのです。
脈々と受け継いできた私たちの精神世界のいわば土台です。いまのような時代の転換期には歴史に向き合うと同時に、これまで受け継いできた魂(神話)のメッセージに敬虔に耳を傾けるときだと思います。

●封印された神々

 国に何かあった時には大祓詞をあげる、という、この祈りの原点は実は祟(たた)り神ではないか、と私は考えています。
日本を国家として統一していくにあたって、もともといた縄文の人々をどんどん追いやった際、大義名分として彼らを「鬼」にしなくてはいけなかった。(ナガスネヒコ、エミシのアテルイ、アラハバキなど。)鬼征伐を大義名分としたのです。
 しかし、女神に対しては、少し違う感覚と解釈を私は持っています。
縄文の頃は、巫女的な存在と国王が対で国を興し治めるというのが、一つのシステムだったと想像します。たとえば、かつて沖縄では聞得大君を頂点とする巫女集団が国王の上にいて、天の御神託をいただき、国の政治を行うという図式がありました。また、『魏志倭人伝』には卑弥呼という謎の女王が書かれおり、やはり同じようなシステムで、天からお告げをいただき、国王がそれを政(まつりごと)に使っています。そのような巫女的な存在なくして、国づくりはできなかったのです。
 瀬織津姫も巫女的な力が相当あったからこそ、同化政策も兼ねて、姫として迎えられたのではないでしょうか。そうでなかったら、今日にも至るほどの信仰を集めることはなかっただろうと思うのです。
 それをある時、時の権力者によって封印され、歴史上から埋めてしまった。だからこそ祟りが怖い。つまり女神は祟り神になってしまったのです。何かあれば祟りではないかと怖れて、そこに参拝する。それが、大祓詞の原点にある気がします。
 瀬織津姫の神社もかつてはたくさんあったのですが、明治の初めまでに、それを隠し消していく作業があったと歴史に出てきます。弁財天にしたり、市杵島姫にかえたりと、存在を消すための方策がとられたようです。
 日本の歴史の中にも、そういう裏の物語があったことを認識していくべきでしょう。

●私たちの中で蘇る瀬織津姫

社も何も無い、大きな石や御神木に神を見るという感性こそが、日本人が大陸の人々と混血しても忘れられない、縄文の感性であり、世界観をかたちづくるものです。自然と人と、そして神とがともに息づく世界。万物のスピリット(いのち)への畏怖と感謝と祈り。
 そのような感性が、蘇ろうとしているのではないでしょうか。だからこそ、瀬織津姫や、また龍神等が多くの人々の心を、魂を揺さぶっている。そういう時代が来たのではないかと思うのです。
この日本を築くためには、たくさんの方々が犠牲になられました。遠い歴史の中にもありますし、近年の大戦においても広島・長崎の原爆や空襲で焼かれた人々、南方戦線の島々で飢えて亡くなった人たち。幾度とない地震や災害や、「令和」の時代が始まっても、次々に起きる水害や世界を震撼させている感染症の蔓延等。その無念さはいまだに晴れていないのでは、と思うことがあります。
まだまだアイヌの人たちの差別を聞いたりもしますし、沖縄の人たちと酒を飲み交わし話していると、「ウチナンチュー」「ヤマトンチュー」という隔たりが魂の奥底にあることを感じます。
国の統一を正義の御旗にして、「鬼」とされた怨念が、どうすればほどけていくのか。いかにして、無念のうちに亡くなった魂に安らぎを取り戻すのか。それが「令和」という時代の課題でもあると考えます。
私たちはそういったものと無縁に生きてきたようですが、私たちのいのちは、すべての歴史を経て可能になっているのです。歴史の外で生まれたものはひとりとしていないわけです。今日、軽々と、陽気に生きていけるとすれば、それを作ってくれるのは亡くなったすべてのいのちやすべての人生です。
清めとは? 罪の祓いとは? 祟りとは? そんなことを思います。そして、平和や愛の前には、大義名分も正義も戦略も不要なのだと思い至ります。「和合」という精神でしか、実現できないのです。
きっと、それが個々の魂で充分にわかっているから、女神たちがいま、目覚めようとしているのです。
平和への祈りを瀬織津姫の制作とともに。

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