1411海王20191113

海王

陶彩画『海王』に託し

太陽がないときは
変えられないものと変えていくことができるもの。この両者の見極めと、変えられないものは受け入れる勇気、変えることができるものは変えていく気概。これはなかなか難しいのですが、意志を持って生きるとは、こういうことかな・・・という納得もあります。

 

変えられないもの。まずは「あるがまま」の自分を受け入れることでしょうか。何者かにならなくとも、「在る」というところに揺るぎない価値を見出す。誰も、条件つきで愛したり愛されたりするのではなく、ユニークな取り換えのきかない(=かけがえのない)ものとして認め合うのですね。
変えることができるもの、というとき、ロマン・ロランが芸術家の使命について遺した言葉が思い浮かびます。
「太陽がないときは、それを創造することだ」。
芸術家に限りません。変えていくこと、というのはこんなことではないでしょうか。

 

もし、大財閥の家に生まれていたら。もし、世界で1.2を争うような頭脳を持っていたら。もし、有名人の子どもとして生まれていたら。アラブの王様の家系に生まれていたら。
こんなのは妄想として笑い飛ばせますが、よく似た思考回路を繰り返しているものです。

 

人間のはじまりはたったひとつの細胞(受精卵)で、それがふたつに四つにと、どんどん分裂を繰り返して口ができたり、目ができたり、心臓になったりしながら、からだ全体がつくられていきます。だれもが生命の設計図に即して同じ道をたどります。設計図は自分が描いたものではありませんし、どこから来たものかを知ることもありません。
作られた、としか言えないのですね。わたしが必要とされたからだ・・・そんなふうに感じます。みな必要とされる運命にあり、ひとつの欠けもない世界がここにあります。

太陽がないときは、それを創造する。
それは自分が光源そのものであることを、思い出すことかも知れません。

 

陶彩画家 草場一壽

 

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