作家紹介

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執筆活動

執筆活動

きっかけは、2000年代に子供が被害者・加害者となる痛ましい殺傷事件が相次いだことです。いのちが簡単に損なわれ失われてゆく有様に、草場は、いのちの尊さを子供たちに伝えなければならないという危機感を覚えました。心急くままに絵本を描き上げ、自費出版して身近な人々配りました。たまたまサンマーク出版の目に留まり、2004年に「いのちのまつり~ヌチヌグスージ~」として全国出版されると、瞬く間に版を重ねることになり、小学校の道徳の教科書に採用されました。

執筆活動

政治の混迷、経済の低迷、社会の混乱、天災や環境破壊、先行きへの不安。豊かになったはずの日本、便利になったはずの生活、にもかかわらず世の中には閉塞感が漂い、本当の「しあわせ」の姿は見失われつつある気がします。本質的な原因は、本来道しるべとなるべき大切なもの、すなわち「いのちをつなぐ」ことへの自覚が失われて主客転倒が起こったことだと思います。本来、いのちを継続・発展させるための政治や経済、教育であるはずなのに、逆にそれらを発展させるために、あらゆるいのちが道具のように消費されて擦り減らされているのです。何のために生き、何のために学び、何のために働くのか、具体的な答えは一人一人異なるかもしれませんが、突き詰めれば、「いのちをつなぐため」「いのちを大切にするため」であるはずなのです。

本当は、いのちは私物化できるようなものではありません。自分のいのちは自分一人のものと考えるのは傲慢です。「私」という個人は、先祖たちが丁寧に紡いできた繋がりのおかげで生み出された存在であり、他の多くのいのちに支え生かされている存在であり、縦に横に循環するいのちの中にあるもの。未来への眼差しからすれば、「私」は循環するいのちがこれからも続いてゆくための通過点とも言えます。あらゆる種と共に途方もない歴史を旅して辿り着いたこのいのちをよりよい形で次に繋げてゆくことは、今生きる「私」の使命です。自分が親になるかどうかが問題なのではなく、身の回りの「いのち」を慈しみ、「いのち」に対する真摯な姿勢を身をもって示すことが、次世代への大人としての責任なのです。

いのちが祖末に扱われやすい現代だからこそ、「いのち」の本質は何であるかを次世代を担う子供たちに伝えてゆかねばならないのだと思います。日本だけでなく世界でたくさんの人に読んでいただけること、道徳の教科書に採用されたことは、「いのち」について伝えなければという想いに共感していただけたからこそだろうと嬉しく思います。そして、子供たちに伝えるには、大人自身が循環する「いのち」を深く理解し、その一部である自分のことも他人のことも大切にできなければなりません。絵本として出版された「いのちのまつり」シリーズですが、子供だけでなく大人たちにも、「いのち」について考えるきっかけになることを願ってやみません。

好評をいただいて「いのちのまつり」はシリーズ化し、中国、韓国などアジアを中心に海外数ヶ国でも翻訳・出版されました。
2009年にはボローニャ国際児童文学祭に日本代表作として選抜されています。2013年よりNHK「てれび絵本」現在まで放映。

シリーズ売上累計約52万部
(2023年現在・サンマーク出版)

  • いのちのまつり ~ヌチヌグスージ~

    いのちのまつり
    ~ヌチヌグスージ~

    (2004年刊行)
    東京書院・光村図書・日本標準
    小学校3年生道徳の教科書として現在まで掲載

  • いのちのまつり つながってる!

    いのちのまつり
    つながってる!

    (2007年刊行)
    光文書院
    小学校2年生道徳の教科書として現在まで掲載

  • いのちのまつり おかげさま

    いのちのまつり
    おかげさま

    (2010年刊行)
    学研教育みらい
    小学校4年生道徳の教科書として現在まで掲載

  • エッセイ集 毎日がいのちのまつり

    エッセイ集
    毎日がいのちのまつり

    (2011年刊行)

  • 幸せを売る男

    幸せを売る男

    (2012年刊行)

  • いのちのまつり かがやいてる

    いのちのまつり
    かがやいてる

    (2013年刊行)
    東京書籍
    小学校3年生道徳の教科書として掲載

  • いのちのまつり みらいへ

    いのちのまつり
    みらいへ

    (2015年刊行)
    学校図書
    小学校4年生道徳の教科書として現在まで掲載